【縄文時代】自然と共に生きた人びとの暮らしを感じる旅へ|土器・火・ムラのはじまりを学ぼう

縄文時代は、日本の歴史の中でとても長く続いた時代で、自然とともに生きる暮らしが根づいていました。狩りや漁、木の実の採集をしながら、四季の変化に合わせて暮らしていた縄文人たちは、やがて土器をつくり、火を使い、ムラを作って生活をするようになります。
火起こしや土器づくり、まが玉などの装飾品、竪穴住居など、今の暮らしとは全く違うけれど、そこには現代につながる「工夫」と「知恵」がたくさん詰まっています。

このページでは、縄文時代の文化や生活を実際に見たり、触ったり、体験できる学びの場をご紹介します。知識を超えて、「こんな風に暮らしていたんだ!」と実感できるスポットばかりです。

縄文時代ってどんな時代?|自然とつながる暮らしの知恵を学ぼう

縄文時代(約1万3千年前〜3千年前)は、日本で最も古い定住型の文化が栄えた時代です。

引き続き狩猟と採集で暮らしていましたが、より気候が暖かくなり食べるものの種類も増えました。獲物も大型から小型へ。

そしてなんと言っても、縄文土器の発明。縄文土器を鍋にしたりで、調理をして食べられるようになり、生活の質が向上します。

食料が安定してくると、定住生活も可能になり、ムラができます。

この時代の人々は、自然の恵みを活かしながら暮らしており、豊かな感性と生活の工夫が今に伝えられています。

学びのポイント
  • 縄文土器の使用:道具の発展が見られた時代。土をこねて焼いた土器が使われるようになり、煮炊きや保存に利用されていました。縄目の模様で厚みがありもろいのが特徴。
  • 狩猟・採集と定住の生活:気候が暖かくなり、食べ物の種類が増えました。動物を狩ったり、木の実を採ったりしながら生活していましたが、川や森の近くに住居を構えて定住するようになりました。季節に応じて移動することもありましたが、ムラのような集落が生まれました。
  • 竪穴住居で暮らした:地面を掘って柱と屋根を立てた「竪穴住居」が建てられ、家族単位で生活していました。周囲に貯蔵穴や作業場を備えた複数の住居が集まり、ムラが形成されていました。
  • 遺跡から読み解ける生活:当時の人々の暮らしは、発掘された土器・住居跡・貝塚・まが玉・土偶などから再現されています。青森県の三内丸山遺跡では、大型住居や栗林が発見され、長く安定した定住生活を送っていたことがわかっています。

縄文時代の学びが深まる|おすすめスポットを紹介

縄文時代の文化や暮らしを体感できる施設では、土器づくりや火起こし体験、竪穴住居の見学など、五感を使った学びが可能です。展示を見るだけでなく、自分の手で体験することで、知識としての歴史が実感として深まります。

1. 三内丸山遺跡(青森県青森市)

  • 概要:日本最大級の縄文集落遺跡で、約5500年前から4000年前の間に存在した集落。
  • 見どころ:竪穴(たてあな)住居、大型建物の跡、土器や土偶などの出土品が展示。

2. 亀ヶ岡遺跡(青森県つがる市)

  • 概要:縄文の終わり頃(約3000年前)に栄えた遺跡。特に精巧な亀ヶ岡式土器で知られている。
  • 見どころ:精巧な装飾を施した土器や土偶、貝塚などが出土している。

3. 加曽利貝塚(千葉県千葉市)

  • 概要:日本最大級の貝塚で、縄文時代の生活や環境を知ることができる遺跡。
  • 見どころ:大量の貝殻や骨、土器、石器が出土し、当時の食生活や文化を知ることができる。加曽利貝塚博物館では、貝塚からの出土品や当時の生活様式についての展示がある。

4. 大湯環状列石(おおゆかんじょうれっせき)(秋田県鹿角市(かづのし))

  • 概要:縄文時代後期に築かれたとされる環状列石(ストーンサークル)が見られる遺跡。
  • 特徴:多数の石を円形に配置した遺構で、祭祀や儀式に使われたと考えられている。ストーンサークルを見学できるほか、周辺には縄文時代の遺構もある。